採用広報のはじめの一歩
人材採用について考えたとき、採用ブランディングや採用戦略、採用マーケティングなど、さまざまな言葉があり、何だかちょっと難しそうなイメージはありませんか?
「採用担当になったものの、情報がたくさんあって何が採用広報に効果的なのかわからない」、「なかなか採用がうまくいかない」、そんな悩みを抱える採用担当者がまず最初に考えるべきことをお伝えしたいと思います。
採用と恋愛は似ているけれど
採用活動は、よく恋愛に例えられます。いかに自分たちが求める人、気になっている人にアプローチし、口説き、そして仲間になってもらえるか、を考える必要があるからです。ただ、採用活動が恋愛と違うところは、求職者をうまく口説くことができ入社してもらった後、実は相性が合わなかった時に簡単には離れることができない点ではないでしょうか?
入社した後、働く側は会社が気に入らなければ転職することもできますが、企業側は簡単に社員を解雇することはできません。そのため、求職者は恋愛でいうと「付き合ってみる」という感覚で就職することもできますが、採用する側はいきなり「結婚する」くらいの重い決断となる場合も少なくありません。
だからこそ、求職者が間違った認識で入社し早期に離職してしまうのを防ぎ、「なんかこの会社いいな」「長く働きたいな」と就職後も思ってもらえるようにするためには、初めから適した人材を探さなければならないのです。
つまり、「自社に適した人材はどういった人なのか?」、「求める人物像はどういった人なのか?」を考えることが、採用担当者がまず最初にやるべきことなのです。
採用を成功させる、求める人物像の考え方とは
では、採用活動における求める人物像は、どのように考えていけばいいのでしょうか?ただ理想を掲げるのであれば、「高学歴で、体育会系。コミュニケーション力もあり、明るく、思いやりもある。かつ、忠誠心もあり、そして、社会に貢献したい気持ちが強い。」などになりませんか?これらは、弊社がこれまでに携わってきた採用ブランディングにおいて、ほとんどの企業で出てきた “求める人物像” です。
重要なことをお伝えします。それらの条件に当てはまる人材は間違いなく、業界を超えて他社もほしい人材です。そのような競争倍率の高いフィールドでターゲットとなる求職者にアプローチして口説き落とすのは難しく、求職者にとって魅力的に映りやすい大手企業が勝つのは当然のことです。そのため、自分たちを選んでもらうには、自分たちが勝てるフィールドで勝負をすることが重要です。では、その勝てるフィールドをどのように決めていけばいいのでしょうか?
求める人物像をつくる3ステップ
1. 自社の魅力を整理する
自社で働くことの魅力はどのようなところにあるのか、社員にとってどのようなメリットがあり、ベネフィットを生み出すのか、それらを思いつく限り挙げてみましょう。もし思いつかない場合は、実際に働く社員に話を聞いてみてください。その場合、できる限り求める人物像に近い社員であることが望ましいです。自分では気づけなかった自社の魅力が掘り出されることも少なくありません。
2. 求める人物像の最低条件を決める
次に、求める人物像としてこれだけは絶対に外せない、という最低限の条件を決めていきましょう。こういうスキルは必ず持っていてほしい、絶対にこういうタイプ(思考)の人がほしい、あるいはこういうタイプは絶対に入社してほしくないというネガティブな視点も取り入れて考えてみましょう。
詳しくは、『求める人物像の最低条件の決め方』で、わかりやすく解説しています。
3. 1と2を比較して、ターゲットを口説けるか想像する
最後に、上記を踏まえ、求める人物像にマッチする人材が、自社の提供できる魅力に惹かれて入社を決意するかどうか、想像してみてください。もし想像したときに、ターゲットとなる人材を口説けそうであれば、求める人物像と発信すべき自社の主な魅力が完成です。その2つを軸としながら、実際の採用広報で運用・検証し、調整を重ねていけば、採用活動の成功につなげることができます。
求める人物像と自社の魅力がマッチしない場合
もし、求める人物像に自社の魅力が響きそうにない場合、その解消方法は2つあります。1つめは、求める人物像を見直すこと。現時点で自社の魅力に惹かれてくれそうな人材をターゲットに設定し直すということです。
2つめは、自社の改革を行うこと。経営戦略上、求める人物像は変えられない、そのような場合には、求める人材から魅力的だと思われる会社になるよう、自社の改革に力を入れるべきかもしれません。「いや、自社を変えたいから新しい人材が欲しいんだ」ということであれば、そのような事情を素直に求職者に伝え、彼らに対してどのようなバックアップを会社が準備できるのかを考え、アピールしていきましょう。
まとめ
採用広報の第一歩として、大事なことは、自社の魅力の整理と求める人物像の設定です。「どのような人材に、どのようなイメージを持ってもらうために、どのような魅力を伝えるのか」、実はこれがまさに採用ブランディングの考え方になります。初めて採用担当になった方はもちろん、採用活動がうまくいっていないと感じている方は、ぜひここから始めてみてはいかがでしょうか?